2016年、広島市の電気工事会社で働いていた男性、栗栖祐磨(くりすゆうま)さん(21)が、長時間労働や、元請けの清水建設側のパワハラにより自らの命を絶ちました。
栗栖祐磨が自殺をしなければいけなくなった理由の真相、
建設会社や下請けの労働環境の実態について迫ります。
事件の概要
2015年に栗栖祐磨(くりすゆうま)さんは広島市西区にある大栄電業に入社しました。
2016年4月から大手建設会社である清水建設が元請けの工事で施工管理を担当。
現場監督として清水建設から来た派遣社員の男から強くパワハラを受け、以来出社できなくなりました。
それ以来、行方不明となり6日後に市内のダム湖で亡くなっているのが発見されました。
出典:朝日新聞デジタル、亡くなった栗栖祐磨さん。
事件概要からは、パワハラともとれる内容が確認されます。
広島中央労基署の調査によると、同年5月28日から翌6月26日までの時間外労働は95時間10分。6月は13日間の連続勤務があった。
現場監督は栗栖さんに「なんやその目つきは!帰れ!」と言ったほか、トラブルの対処をめぐり「いつ直すんや。いつできるんや」「担当を代われ!」などと強く叱責した。
現場監督は、ほかの大栄電業社員ら下請け業者への口調も厳しかったという。
こうした経緯から、労基署は長時間労働と叱責が原因で精神障害を発症し、自殺したと判断。労災と認定した。
出典:朝日新聞デジタル
栗栖祐磨さんは、一か月の労働時間が、95時間10分と大変激務でした。
月勤務を平均20日間とした場合、一日4時間以上は残業していることになります。
定時が17時30分としたら、毎日21時半から22時くらいまで働いたことになり、
そこから帰宅となるとほぼ何もできない状態ですし、普通に考えても精神病になってしまってもおかしくありません。
栗栖祐磨さんが追い込まれてしまった建設業界はブラック業界ともいわれる本体が明らかになってきました。
次に迫っていきます。
遺族の訴え、栗栖祐磨さんの性格は?
遺族は昨年8月、大栄に計約7800万円の賠償を求める訴訟を広島地裁に起こした。
大栄側は争う姿勢を示す一方、同社の代理人弁護士や書面によると、「現場監督による暴言の内容は知らされていない。不法行為か安全配慮義務違反が成り立つなら清水建設は外せない」と主張。
訴訟告知の手続きをとり、清水建設や現場監督、派遣元の会社が訴訟に補助参加した。
補助参加した清水建設などは大栄電業側に立って遺族と争う。
一方、遺族側の訴えが認められれば、大栄は賠償金の一部を清水建設らに求めることができる。
出典:朝日新聞デジタル
遺族の方は、訴訟を起こしましたが、元居た会社(大栄電業)に清水建設が補助参加して争うと言ってきました。
会社側は全面否定しているように感じますが、
SNSやネット情報から、栗栖祐磨さんの性格が明らかになってきました。
栗栖祐磨さんの性格は、かなり誠実で優しかった。
仕事は一生懸命、とにかくつらいことにもめげずにしっかり最後まで行う。非常に正義感がありました。
若いのにまじめという今どきの人とは少し違う。
出典:ネット情報
栗栖祐磨さんの性格は、かなり誠実で優しかったことが明らかになっていました。
ここまで追い詰められた原因は、働いていた大栄電業(広島市西区)に問題はあると思います。
しかしなぜ、ここまで仕事をさせる必要があったのでしょうか?
建設業界は大変激務でブラック業界という理由を次に示します。
建設会社の要望が強すぎる
出典:施工会社はブラックすぎ?
栗栖祐磨さん(21)が亡くなった理由に、会社側の激務があげられています。
激務 = ブラック業界と言われていますが、その理由の一つに短納期・短工期が考えられます。
栗栖祐磨さんは、清水建設が元請けの工事で施工管理を担当していました。清水建設は、ゼネコンであり、ダムとか橋、トンネル、オフィスビル、マンション、その他不動産の工事を請け負うことが多い。
たいてい、工事期間2017年1/10~3/31みたいな期間が設定されていますよね。それが、ゼネコンの工期です。
決められた納期で完成できないと、契約違反となり遅延した分の罰金が発生するのです。
そして、工事期間はどんどん短く設定されてきていると言います。
理由として、ただでさえ業績の悪い業界であるため、短納期の仕事も取っていかないと会社が潰れてしまう。
結果、従業員は激務になります。
栗栖祐磨さん(21)にも厳しくあてられていたことは想定できます。
現場監督の言葉一つであることは考えられますが、この業界全体に相当のプレッシャーがかかっていることは間違いはなさそうです。
建設業界はあふれ、激務化
出典:日本経済新聞
建設業界は、激務の上、あまりにも仕事が多すぎて残業代不払いが多発しているというのが近年の傾向です。
ブラック企業の対象となった事業所において、建設業界は、「賃金不払い残業」が見つかった割合は37%(77か所)。
全業種のなかで最も高かいというのが日本の建設業界の現状です。
栗栖祐磨さん(21)が働いていた2016年時はちょうどブラック企業として問題になっていた時でもあり、今以上に働き方は厳しかったことが予想されます。
なぜなら、バブル期と比較すると、2015年度は受注高が半減でした。
受注高は半減しているのに、スーパーゼネコン5社(鹿島・清水建設・竹中工務店・大林組・大成建設)は潰れてないし、中堅・小規模ゼネコンもあいかわらず生き残っている状況でした。
競争としては、ローコストにせざるを得ず、短納期という言葉を掲げて激務だったことは明らかです。
社員にサービス残業をさせる(人件費を下げる)か、社員数を減らして一人当たりの仕事量を増やす、
ことしか利益を出せないため、栗栖祐磨さん(21)にも相当の精神的負担がかかっていたことは間違いありません。
まとめ
職務上の役割、信頼関係に基づく指導や注意はよいと思いますが、人格否定や人権侵害、行き過ぎた暴言はパワハラだと何度も指摘され、法的にも賠償請求が認められてきました。
人事・労務管理を管掌するスタッフは、会社に損害を与えたり、部下・取引先の関係性、生活を破綻させないためにも、自己の言動を日々省みる必要があります。
仕事に関係する仲間が自殺するような事件を絶対に発生させるべきではないので、司法の判断や法的な裁決とは別に、きちんと再発防止を徹底してほしいと思います。
出典:yahoo!news
どの仕事場でもそうなんだろうけど、「その言い方で言われた方が納得して仕事に励むと思うのか?」という人は本当に多い。
それが原因で人不足になって「人が足りません、採用活動と応援要員の確保お願いします」とかふざけるなと思う。
出典:yahoo!news
知人のインドネシア人の男性が
同じ施工管理の仕事をするために
来日した。
日本がとても好きで、とても楽しみにして
たのに
仕事しはじめて、一週間で
国に帰りたいと言った
職場で大声で怒鳴る社員が
いるそうだ
出典:yahoo!news