22日未明に20代の巡査が男子高校生(15)に職務質問をした際、ナイフを持っていたとして逮捕しました。
その後、違法だと勘違いし、男子高校生は約9時間後に釈放されました。
なぜこういう誤認逮捕が起こるのでしょうか?そして誤認と分かってから9時間も釈放するのにかかるとは、ちょっと疑問ですよね。
逮捕後の警察の実態について調査しました。
ニュースの詳細
ナイフ所持高校を誤認逮捕との内容ですが、いったい何があったのでしょうか?
まずは朝日新聞の内容からみていきましょう。
警視庁は22日、小平署員が東京都小平市の男子高校生(15)を銃刀法違反容疑で誤認逮捕し、約9時間後に釈放したと発表した。高校生が所持していた刃物の種類を誤ったという。
生活環境課によると、22日午前0時すぎ、小平署地域課の20代巡査が小平市の公園で1人で座っていた高校生を発見。職務質問したところ、高校生のショルダーバッグ内からナイフが見つかり、「護身用に持っていた」と話したため署に任意同行した。刃体の長さが、銃刀法で携帯が禁止されている6センチを超える6・2センチだったため、午前1時半ごろ現行犯逮捕した。
その後、生活環境課に確認したところ、形状から切り出しナイフに該当すると判明。刃体7センチ以下などの切り出しナイフの所持は銃刀法違反にあたらないため、同署幹部が高校生の父親に経緯を説明し、同日午前10時20分ごろ、釈放した。同署は軽犯罪法違反(凶器の隠匿携帯)容疑に切り替えて調べる方針。
渕上宏和・生活環境課長は「今後このような事案がないよう指導、教養を徹底し、再発防止に努める」と述べた。
出典;朝日新聞
最近ナイフで刺される事件が多発していますから、高校生が護身用に持っていること自体がおかしいように思えてなりません。
いくら誤認と言っても、何かあったら誰かが刺される可能性があったわけですから、正直このニュースは複雑です。ただし、銃刀法違反のルールをきちんと理解していなかったのは警察として問題かもしれませんが・・・
今回のケースは銃刀法違反ではないの?
出典:https://matome.naver.jp/odai/2142707434880763401/2…
現行犯逮捕時は、6センチを超えていたため逮捕と報道されていた。
銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)はそもそも
特別な許可を受けた場合など、正当な理由なく「刀剣類」を所持することを禁止している。
(1)刃渡り15センチ以上の刀、やり、なぎなた(2)刃渡り5・5センチ以上の剣、あいくち
(3)45度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフ
一方で、包丁やナイフ、はさみは、「刀剣類」でなく「刃物」とされている。刃物も、使い方によっては、人を殺傷する性能があるが、仕事や生活上の道具として必要であることから、所持までは禁止されていない。
出典:https://www.bengo4.com/c_1009/n_6217/
このケースを考えると、護身用は正当な理由でしょうか?
何かあったら人を傷つけますよ、ですよね。警察官をかばうわけではありませんが、立派な逮捕理由と思ってしまいます。
しかし、包丁やナイフ、はさみは所持までは禁止されていないので、非常に判断がつきづらいのかもしれません。
➀釈放までになぜ9時間もかかった!?
出典:https://atombengo.com/trouble/plan1.html
先ほどの、包丁やナイフ、はさみであれば、所持は禁止されていないはず?いったいなぜでしょうか?
はさみと折りたたみナイフ、くだものナイフの場合、刃渡りが「8センチ」以下ならば、携帯の禁止から除外されている。形状については、次のように定められている。
(一)はさみ・・・刃渡り8センチ以下で、先端がいちじるしく鋭利でなく、かつ刃も鋭利でないもの(二)折りたたみナイフ・・・刃渡り8センチ以下で、幅が1・5センチ、厚みが0・25センチをこえないもので、開刃した刃体をさやに固定させる装置のないもの
(三)くだものナイフ・・・刃渡り8センチ以下で、厚みが0・25センチをこえず、先端が丸みを帯びているもの
出典:https://www.bengo4.com/c_1009/n_6217/
こういう何cmとかを指定しているから、かえって誤認逮捕が出てしまうんですよね。
今回高校生が所有していたのは、6cmほどで、7cm以下の切り出しナイフは銃刀法違反にあたらない。
でも、軽犯罪法では、正当な理由なく、刃物を「隠して携帯する」ことが禁止されています。(軽犯罪法第1条2号)。
こちらに切り替えて調べる方針のようですが、9時間もかかりますかね?
➁釈放までになぜ9時間もかかった!?
出典:https://keiji-pro.com/columns/45/
刑事事件での基本的な流れとして一連の図を乗せてみました。
一般的には流れは決められています。逮捕後の容疑者は有罪判決を受けるまでは無罪と推定される「推定無罪」の原則に基づき、逮捕後の容疑者をいつまでも拘束せずに捜査を進めていくためです。
高校生は今回9時間で釈放されましたから、図では警察の取り調べ48時間以内のところにあたります。
これは、警察の操作は48時間以内と決められているからです。この時間の間に事実を聞き出すのです。これを考えたら9時間は短いと思われますが、銃刀法違反をわかってれば、逮捕にはならないですよね。
または、もっと早く釈放されても良かったのではないでしょうか。
➂釈放までになぜ9時間もかかった!?(補償額は1日あたり「1000円~1万2500円」)
出典:https://www.yokohama-roadlaw.com/qa-soudan/cat4/po…
補償額は一日に、1000円~1万2500円かかります。
このため、誤認逮捕はどうしても避けたかったことも考えられます。
「これらの制度は、実際に生じた損害すべてを補填するという趣旨ではありません。
あくまで《公権力の行使は適法だったが、結果としてその人に嫌疑がなかったり、無罪となったことが判明した》という前提に基づいた、『補償』の制度なのです」
出典:https://www.bengo4.com/c_1009/c_19/n_854/
「もし違法な公権力行使によって被害を受けた場合には、国家賠償法に基づいて、民事手続で損害賠償を求めることもできるでしょう」
警察官も、誤認でないという証拠をさがすのに必死だったことがわかります。
これが9時間かかった理由なのでしょうか??あくまで推測ですので、事件とは一切関連はありません。